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第312回FSS考察「ファティマは母になってくれる女性?」
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     はい、皆様おはようございます!年末進行で、いつもより早い時間に更新しております。今年も色々と、大変お世話になりました。ちょっとオヤスミが多かったですね、ごめんなさい。もっと体調管理頑張りまっす!
     さて、2019年最後の更新は、以前もちょっと触れたエトラムルの話。
     今年は、古くから存在したとあるGTMの設定が大幅に変更された年でした。そのGTMこそ、SBBデモール(旧MH設定:KAN)です。古くよりこの騎体は、エトラムル専用として設定されていました。AKDがツァラトゥストラ・アプターブリンガー(旧MH設定:LEDミラージュ)を使わねば倒せなかった、非常に強い騎体でした。そして、倒してみて初めて「全てがエトラムル専用騎だった」という事実が、星団に知れ渡ったのです。
     そんなデモールですが、今後は人型ファティマも乗せることになりました。
     今日はそのへんのお話を、少ししたいと思います。

     

     

     

     

     まあ、正直びっくりしましたけどね。
     デモールことKANのアイデンティティが、突然設定変更された訳ですから。ただ、ほぼ半年を使って、デモールのテスト戦エピソードをやった中で、その理由が説明されています。
     バキン・ラカン騎士団のユーゾッタたちを襲った、デモール三騎。そのサポートには、本国仕様にチューンされた、全力全開のホルダ31ユーレイがついてきます。圧倒的にあ不利なラカンドテンプルでしたが、動揺から立ち直ったユーゾッタの英断で、どうにか持ち直します。
     さらには、敵味方に大量に援軍が投薬、なんと星団三大GTMが揃い踏みしてしまう。破烈の人形とダッカス・ザ・ブラックナイトも現れ、伝説の一騎打ちが再び行われました。
     そんな中、デモールには異変が……なんと、戦闘中に謎の不調が現れたのです。これをドクタービリジアンは「エトラムルはGTMの母にはなれない」と説明しました。
     実はここに、FSSが連載されてからずっと貫いてきた、一つの世界観があります。

     

     

     

     FSSは、言わずと知れた「騎士とファティマ、GTMの物語」です。多くの騎士たち、ファティマたちが物語を彩り、歌い踊って、そして死んでゆく。誰一人として例外なく、持って生まれた生命を全力で燃やし、ある者は非業の死を遂げ、またある者は優しく看取られます。
     そして、騎士もファティマもジョーカー星団では一種の差別を受けています。
     旧世紀、超帝国時代のエンハンスヒューマン(強化兵士)の末裔である、騎士。常人を超越した肉体や反射神経を持ち、その力は戦争において最も貴重な戦力とされる。戦争の全権代理人として、多くが貴族階級として扱われる反面、その優遇された暮らしぶりは庶民の嫉妬と羨望の的である。
     さらに、その騎士の遺伝子情報を用いて創られた有機体コンピュータ、ファティマ。それは多くが、うら若き美しき乙女の姿をしていた。一部の例外を除き、騎士だけがファティマを迎えることができ、その美しさは多くの一般人に激しい感情をたぎらせた。男は皆、人権のないファティマに性欲を持て余し、女は永遠の美しさを持つ少女たちに嫉妬したのである。

     

     

     

     我々の現実世界でも、極端に弱い人間を差別してしまう傾向があります。同時に、極端に恵まれた人間もまた、差別を受けやすい。正当な評価はされず、公然と侮辱されることも少なくありませんね。
     人間には、自分より弱い者たちを蔑み己を安定させたいという欲望があります。
     同時に、自分より恵まれてる者たちにも、嫉妬や羨望から差別意識を持つのです。
     全員ではありませんし、多くの人間は自制心を持って理性的に生きています。ですが、ありとあらゆる人間に、エゴとして潜在的にこうした気持ちはあると思うんですね。
     で、最強で大金持ちになれる騎士と、永遠に美人のままのファティマ。この両者は、共に「星団の一般人のために戦うのに、その守るべき対象から迫害されている」という実態があります。そこを永野護先生は、わりとエグく隠さず描いてきたように感じました。

     

     

     

     そんな、世界で二人ぼっちの騎士とファティマは、双方に相手を必要とし、相手以外には受け入れられてもらえません。騎士なんかはまだいいですが、マスターのいない時のファティマの悲惨さは、皆様ご承知かと思います。
     なので、騎士とファティマが両思いになる、一線を超えるのは自明の理とも言えます。お互い、パートナーを守りたいし、同じ差別された者同士の連帯感だってあります。

     

     

     

     だから、騎士とファティマが一体となって動くGTMは、二人にとって子供のような存在でもあるのです。最強最悪の絶対殺戮兵器、ゴティックメード…この無慈悲な美術品は、騎士とファティマのどちらか片方が欠けても、満足には動けません。
     そして、騎士もファティマも、GTMを動かすことが一番求められています。
     自分たちの存在理由は、GTMで戦ってこそ証明され、許される。
     だからこそ、パートナーが互いに必要で、そこには独特な絆があるのでしょう。
     なので、下世話な話かもしれませんが、騎士とファティマにとって「GTMで戦うこと」は「お互いの持って生まれた使命を果たすこと」であり、そのためには必ず相手が必要なのです。そうやって生まれるのが、GTMの極限の戦闘力なのです。
     GTMは子供、そして騎士がお父さん、ファティマがお母さんという、戦いの中でだけ生まれる奇妙な関係が成立すると言えるでしょう。勿論、女同士の騎士とファティマも、女騎士と男ファティマの組み合わせも、基本的には同じだと思います。

     

     

     

     以前から、GTM(MH)には幼児程度の知能があるとされてきました。京はアパッチと話していましたし、パルテノはヤクトミラージュLとの戦闘データ共有に会話を交えていました。インタシティが死んだ時、明らかにエンプレスフレームやビブロスとなんらかのやり取りがあったようにも見えます。
     そう、GTMはロボットですが、生きているんですね。
     そして、人間の幼児と動揺に感情を持っています。何度もやったことのあることは得意だし、初めてには臆病になる。戦っていても、強敵を前にすると怯えて竦み、弱い騎士や操縦の下手な騎士には嫌悪も感じるかも知れません。
     赤子に毛が生えた程度のGTMですが、彼女らは全て騎士とファティマの子供なんです。騎士とファティマが愛し合っても、生み出せるのはGTMという殺戮兵器だけなんですね。それはとても物悲しく、切ないながらも美しい世界観だと思います。
     で、そのファティマがエトラムルだと、何故悪いのか?
     そもそも、騎士のサポートや隠密行動への同行、ある程度の生身での戦闘も考慮して、ファティマは少女の姿で生み出されました。そこには、可憐な少女を守るということで、騎士に精神的な安定をもたらす効果も考慮されていたでしょう。
     それを「GTMを動かすだけの装置」としてだけ洗練化させたのが、エトラムルです。
     ですが、生身でのGTM外での活動能力と一緒に、エトラムルは大事なものを捨ててしまった…それが「GTMへの母性」です。そして、御承知の通りデモールは、デモール本体の不安や恐怖を、エトラムルが受け止められなかった。なので、デモールは不調をきたし、ついにはエトラムル専用GTMという奇抜な発想を捨ててしまったのです。

     

     

     

     では、母性を持ったエトラムルを作ればいいのでは?そう思うんですが、二つの観点から現実的ではないようです。まず、デモールの開発を手動してきたバルター・ヒュードラー博士の存在。ファティマを嫌悪している彼女のお陰で「ファティマの能力がバラバラのために生まれる不安定さ」が排除されたGTM、それがデモールです。恐らく、ヒュードラー博士の個人的な気持ちとしても、エトラムルへ母性を乗せるのは嫌でしょう。
     それと、こっちが多分本筋かもですが…エトラムルへ母性を搭載する、これってつまり「普通のファティマが母親としてやってること全てを、エトラムルもできるようになる」であって、イコール「普通のファティマになる」だと思うんですよね。そっと撫でてやる手が必要だし、服を脱いで裸を見せられることも求められるかもしれません。つまり、ファティマの少女の姿には、その全てに意味があったということになるのです。
     余談ですが、現在アウクソーはミースと共にバッハトマにも出入りしてます。アウクソーについては廃棄処分を免れたようですが、事実上の壊れファティマになってしまった。しかし、彼女を見たツバンツヒは「アウクソーは壊れていないような気がする」と言っています。この謎をずっと以前は考えてたんですが…アウクソーは「シュペルターにお別れの挨拶をしようとしたら、声が聴こえなくなっていた」と言っていました。
    案外、アウクソーの不調は「GTMへの母性の一時的な喪失」なのかもしれません。
     それは、彼女がGTMの母である以上に、超帝國剣聖(カイエン)の恋人であることを望んだから…そして、その未来が全て奪われてしまったからかな?なんて思ったけど…どうでしょうね。

    | ながやん | 世界観 | comments(4) | - |
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      Comment
      2019/12/28 12:37 AM posted by: ほりけん
      FSS開始当初からトミノ師に嫌悪された関係性(LPのインナーだったっけ)を掘り下げる時がきましたね。 ながやんさんはマモセンセが描きたい方針を捉えている気はしていますが、GTM(MH)の『声』を騎士その人が聞く描写が無いあたり、ファティマは『通訳・翻訳』役で、共同作業であるのに対等の『両輪』では無い・・ある種ロマンスめいた思い入れがファティマ側にしか無い気がします。 それを娘達が延々続けさせられる苛立ちがバランシェをして3女神を生む要因なのかも知れませんな。
      そもGTM(MH)の自我は何故あるのでしょうね? 皆様は進化した機械なのだからあって当然と思われますか?(塔にすらあるし) 操縦者と別口の動作・判断をしかねない部品が組み込まれていると言えなくもないのでは? 情報量の多さから致し方なしという理屈もあり得ますが・・はて?
      2019/12/28 1:04 PM posted by: 騎士警察
      >ながやん様、スレ立てお疲れさまです。
      色々な切り口でのFSS世界の考察、毎回よく考え付くなぁと感心させられます。
      どうぞご自愛なさって、来年もボチボチな感じでお願いします。

      さて、今回のネタの直接的なモノでは無いのですが…"騎士とファティマは迫害されてる"ってオハナシ。いつも思うのですけど、どの位のレベルで迫害されてるんでしょうね?
      まあ、本編に出てくる騎士やAFは超級レベルの人達ばかりなので、そこまで迫害・白眼視されてないだけなのかもですが…
      あからさまにAFを下に見てるのって、トモエに唆されてパルスェットを襲ったチンピラぐらい?
      トモエやヒュードラー博士は嫌悪感が先に立ってて、迫害とはまた違うような…
      騎士に関しては言え「誰が差別を?」とも…
      まあ「騎士様、騎士様」と持ち上げるのも、差別かも知れんとは思いますが…
      多分、本当に持たざる者は他人に嫉妬とかしてる暇も無く、本当に持ってる人は嫉妬する必要が無いんでしょうね。
      劇中に出てくるのはそのどちらかばかりで、中途半端に持ってる"庶民"が騎士を羨んで迫害する、みたいな…

      2020/01/03 1:36 AM posted by: シケルブ
      ながやんさん、いつも面白い思考、ありがとうございます。
      新年、明けましたね。今年もよろしくお願いいたします。マイペースに行ってください。

      GTM(MH)に知性がある詳細設定は知りませんか、最大の殺戮兵器に思考を与える事で、戦闘や戦争に(戸惑い)をもたせ、星団のバランスを保つのではないでしょうか?それはAFや騎士も同じ。でなければAD歴を繰り返し、また文明は滅んでしまいます。

      現実世界でも、AI技術は凄まじい進歩を遂げ、全ての判断を任せれば人類は滅んでしまうと言われて言いますし、私も究極そうなると思います。
      ですが、開発対象が(機械の母である)感情を持った人間なので、今はその結末は有りません。AIがAIを開発すれば話はかわりますが、それはもう人類の無い世界の話です。
      いくらAIが発達しても、人間の複雑な脳には勝てないとも言われてます。
      天才的な脳を持ち、マリリンモンローを振ったアインシュタインは機械の中では誕生しないのです。

      そう考えると、人間って面白くて奇跡の様な存在じゃないですか?
      永野センセーはそう言った(曖昧さ)を大切にしてると思います。

      仰るバタフライエフェクトの様に、ヒューマンエラー等、一瞬の戸惑いで、一人の騎士を取り逃しても、やがてその騎士が腕を磨き上げ、大国を背負う存在になるかも知れません。そして、その騎士は外交で多くの人達を無血で救うなど、刹那的なバランスで描かれるFFSの世界観は面白いです。

      と…やや脱線しましたが(多汗)GTM(MH)の会話描写で、勝敗が決まったラルゴ対コーラスジュノーンがありましたね。コーラスサードが数十年足らずで製作したジュノーンがスーパーイレイザーエンジンを入れられて(ママ、パパ、怖いよ〜)と泣いてましたが、次にクローソーに語り掛けてきたジュノーンは驚くべき貫禄でした笑(私はコーラスに報いたいのだ!頼む!)と…もうジュノーン何歳だよ笑
      結果、戦わないクローソーがサイレンを撃破。デモール戦の逆です。最凶のクローソーが死ぬ所を赤子のジュノーンが救ったのです。
      当時の設定とは、異なるでしょうが、これも、GTM(MH)とAF、騎士の関係性の本質なのでは?

      他にもホウザイロ(クルマルス)はスバースが乗り回した最古のMH。内心は(黒騎士ごときに、びびってんじゃねぇ!俺様に乗るなら、最低でも、剣聖持ってこいや!)と思ってたとか笑
      2020/01/03 2:14 AM posted by: シケルブ
      ›騎士警察さん
      お久しぶりです。本年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m
      しばらく、コメント出来ませんでしたが、いつも楽しく拝見させてもらってました(^-^)

      迫害。
      私的には現実世界に置き換えると、騎士やAFはハリウッドスターみたいなものかなぁ、っと思ってます。

      仰る様に、迫害とは嫉妬だと思います。現に黒人差別は白人による身体的に叶わない部分からの嫉妬と言う話がありますし。

      騎士は迫害されても痛めつけ様がないですが、AFは無惨ですね。外傷、さらに強姦された日には精神も危ない。AFの希少価値からチンピラに反撃出来ない何て、星団法どうなってるんだ!?って感じです。

      AFが迫害される多くはコーラス編で描かれた騎士の真のパートナーである愛妻からだと思われます。
      騎士は高い地位の人種ですから、その取り巻きからの嫉妬心などはAFに全て向けられる事と思います。

      やっぱりAFかわいそうですね…

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